病院でのAGA治療が保険適用外の理由は?1ヶ月の治療費の目安!

病院でAGA(男性型脱毛症)の治療を受けるにあたり、どのくらいの費用がかかるのか疑問を抱えている方はいませんか?

1ヶ月の治療費の目安はクリニックや治療法で違いがありますが、AGA治療は基本的に保険適用されません。

そのため、AGA治療は高額というイメージがあり、費用面に不安がある人も多いですよね。

今回は病院でのAGA治療で保険が適用されない理由と1ヶ月の治療費の目安、医療費控除の対象についてお伝えしていきます。

AGAは継続的に治療していく必要があるので、事前にどの程度費用がかかるのか、確認しておくことは大切です!

病院でのAGA治療が保険適用外の2つの理由をまとめてみた!

  1. 厚生労働省が定めた医療保険の適用される項目にAGA治療が含まれていない
  2. 美容整形やレーシックと同じでAGAが生命に関わる治療と見なされていない

AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略称で、成人男性が引き起こす薄毛の症状です。

AGAの治療を専門の病院やクリニックで受けると、自宅での対策と比べて高額な費用がかかります。

それは病院でのAGA治療が保険適用外と決められているのが一番の理由ですね。

なぜAGAの治療で保険が適用されないのか、健康保険の仕組みやAGA治療がどう判断されているのかについて見ていきましょう。

  • 健康保険は日常生活に支障を来たす病気や症状を治療する際に適用される
  • AGAを発症して薄毛が進行しても健康を害するわけではない
  • AGAは美容整形やレーシックと同じで見た目を美化する自由診療に該当する

風邪やインフルエンザなどの治療で医師に診察してもらうと、健康保険が適用されて費用の負担割合は少なくなります。

これは保険診療という保険適用される治療行為に該当すると決められているからです。

AGAの場合は保険診療ではなく自由診療に当てはまるため、下記のように治療にかかる費用を全て自分で負担しないといけません。

AGA治療において自己負担しなければならない費用


  1. 医師による診察(初診料・診察料)
  2. プロペシアやミノキシジルなどのお薬の処方代
  3. 育毛メソセラピーなどの注入治療の費用

「薄毛が気になって日常生活を送るのに支障が出ている」と訴えても、病院で受けるAGA治療は保険が適用されないですよ。

薄毛の種類によっては保険適用の対象になるケースあり!

  1. 免疫異常の自己免疫疾患で頭皮に脱毛部分が形成される円形脱毛症
  2. ストレスが許容範囲を超えて自律神経が乱れたことで生じる薄毛
  3. マラセチア菌の繁殖が原因で引き起こされる脂漏性脱毛症(脂漏性皮膚炎)

参考:日本皮膚科学会ガイドライン「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版 – 円形脱毛症の病態と診断,治療

参考:マルホ皮膚科セミナー「アトピー性皮膚炎と脂漏性皮膚炎における真菌、特にマラセチアの役割について – 脂漏性皮膚炎

AGAの治療はクリニックで受ける美容整形と一緒で、かかる費用は全額自己負担になります。

しかし、全ての薄毛や脱毛の治療が保険適用外というわけではありません。個人が引き起こしている薄毛の種類によっては、保険適用の対象になるケースもあります。

例えば、身体の問題ではなく自己免疫疾患など精神的な原因で薄毛を引き起こす円形脱毛症の治療は、健康保険が適用されやすいですね。

生命を脅かされる疾患と認められると、保険が適用されて治療費の負担は軽くなります。

ただし、精神的な要因が深く関わっている円形脱毛症の治療でも、全ての処置で保険が適用されるわけではありません。

次のように皮膚科などの病院で特殊な方法で円形脱毛症を治療した場合は、AGAの治療と同じ自由診療になります。

円形脱毛症の治療法治療の内容
局所免疫治療皮膚の表面にかぶれを起こして毛根の破壊を食い止める治療
エキシマライト308nmの紫外線を発生する光線治療器で皮膚病を改善する治療
スーパーライザー療法皮膚の奥まで届く赤外線を照射して消炎作用を得られる治療

円形脱毛症に加えて、ストレスが起因する薄毛やマラセチア菌の繁殖による脂漏性脱毛症も保険が適用されるケースがあります。

薄毛で髪の毛が薄くなる点では一緒でも、治療で健康保険が適用されるのかどうかは薄毛の種類で変わりますので、詳細は担当の医師に伺ってみてください。

AGA治療を受けたら保険告知した方が良い?

AGA治療を受けたら保険告知した方が良い?

病院で医療行為を受けているのであれば、AGAの治療でも漏らさずに保険会社に申告すべきです!

生命保険と契約するに当たり、保険会社に対して自分の今の健康状態や傷病歴を申告する告知義務があります。

「AGAの治療は保険が適用されないから保険会社に告知しなくても良いのでは?」と疑問を抱えている方は少なくありません。

確かにAGAは保険上は病気と見なされていませんが、病院に通院して何かしらの治療を受けているのは事実です。

そもそも、生命保険やがん保険への加入で告知が必要な理由について見ていきましょう。

  • 既に病気をしている人と健康体の人では、前者の方が保険料を受け取る可能性が高くなる(加入者の公平性を保つため)
  • ありのままの状態を告げずにウソをつくと、告知違反として保険会社は契約を解除できる(保険金が支払われない可能性がある)

AGAの治療を受けている事実を告知しなくても、「虚偽の申告」と見なされることはありません。

しかし、AGAの治療も病院で処置を受けている点では一緒ですので、生命保険に加入したり更新したりする前にどのような医療行為を受けているのか申告した方が良いですよ!

AGAの3つの治療別に1ヶ月にかかる費用の目安を解説!

AGAの治療法かかる費用の目安期待できる効果
投薬治療1ヶ月で15,000円~17,000円
注入治療1回当たり20,000円~100,000円
自毛植毛1,000グラフトで40万円~120万円

AGAの治療で保険が適用されないと聞き、何よりも気になるのが1ヵ月当たりの費用ですよね。

「薄毛を克服できても金銭的な負担が大きいのはちょっと…」と不安な気持ちになるのはわかります。

病院で行われているAGA治療の種類を大きくわけると次の3つです。

  1. 飲み薬や塗り薬を服用する投薬治療
  2. 頭皮に薬剤を直接注入する注入治療
  3. 脱毛部分に自分の髪の毛を植え付ける自毛植毛

ここでは、それぞれのAGA治療で1ヶ月にかかる費用の目安や相場をまとめてみました。

1. 投薬治療にかかる費用は1ヵ月約15,000円~17,000円

投薬治療の方法医薬品のタイプかかる費用の目安
プロペシア内服薬1ヶ月当たり7,000~8,000円
ミノキシジル外用薬1ヶ月当たり6,000~7,000円
ザガーロ内服薬1ヶ月当たり9,000円~13,000円

AGAクリニックで実施されている投薬治療の費用は「プロペシア」「ミノキシジル」「ザガーロ」と薬によって違いがあります。

どれもAGAによる薄毛の改善で必要な成分が含まれていますが、1ヶ月で負担する金額は一律ではありません。

以下では、クリニックで処方されているAGAの代表的な3種類の治療薬の効果をまとめてみました。

投薬治療の種類期待できる効果
プロペシア酵素の5αリダクターゼを阻害し、AGAの原因になる強力な男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)を抑える内服薬
ミノキシジル頭皮の血行を促して髪の毛を作る毛母細胞を活性化させる外用薬
ザガーロ2種類の5αリダクターゼを阻害し、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成量を抑える内服薬

参考:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版 – フィナステリドの内服は有用か?

参考:J-STAGE「ミノキシジルの発毛作用について – ミノキシジルの発毛効果

参考:一般財団法人日本医薬情報センター「ザガーロ – 5α還元酵素阻害作用

治療薬の処方パターンで1ヶ月の費用は変わりますが、大まかな目安は15,000円~17,000円です!

例えば、プロペシアを処方してもらうだけであれば、1ヶ月当たり7,000~8,000円程度の費用で済みます。

しかし、内服薬のプロペシアに加えて外用薬のミノキシジルも併用してAGAの治療に取り組む場合は、更に費用が上乗せされる仕組みですね。

投薬治療の組み合わせはAGAの症状の進行具合や個人の予算で自由に決められますので、クリニックの医師に相談してみましょう。

2. 注入治療にかかる費用は1回約20,000円~100,000円

AGAのクリニック名1回当たりの注入治療の費用
銀座総合美容クリニック19,440円
湘南美容クリニック19,800円~24,800円
TOMクリニック49,000円~60,000円
AGAスキンクリニック80,000円~100,000円
横浜中央クリニック80,000円~180,000円

AGAの専門クリニックでは、育毛メソセラピーやHARG(ハーグ)療法を中心に頭皮に直接有効成分を浸透させる注入治療が実施されています。

上記の表を見ればわかりますが、AGAの注入治療はクリニック別で1回当たりの費用に大きな違いがあるのが特徴ですね。

育毛メソセラピーやHARG療法では、発毛効果を持つ次の成分を組み合わせた薬剤を注入していきます。

  • ミノキシジル
  • アミノ酸
  • フィナステリド
  • プラセンタ

AGAの注入治療も投薬治療と同じで保険が適用されないため、全ての費用を自費で負担しないといけません。

そのため、1ヶ月当たりではなく1回当たりの費用で比較して注入治療を受けるAGAクリニックを決めましょう!

注入治療はプロペシアやミノキシジルと比べて高額な費用がかかる代わりに、発毛有効成分を頭皮にしっかりと浸透させて薄毛の改善効果を得られますよ!

ただし、AGAの注入治療は投薬治療の補助的な手段として用いられることが多いため、クリニックでは2つの治療費用を合わせて支払う必要があると心得ておきましょう。

3. 自毛植毛にかかる費用は約40万円~120万円

自毛植毛を受けられるクリニック基本治療費1グラフトの費用1,000グラフトの費用
TOMクリニック35万円80円~520円38万円
アイランドタワークリニック20万円1,200円120万円
親和クリニック20万円90090万円

AGAによる薄毛を自毛植毛で治療する場合、かかる費用の相場は約40万円~120万円です!

自毛植毛ではAGAの原因になるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響を受けにくい後頭部の髪の毛の毛根を採取し、薄毛を引き起こしやすい前頭部や頭頂部に移植していきます。

自毛植毛によるAGA治療は上記の表のように1ヶ月当たりの費用ではなく、移植する毛穴1つ(1グラフト)当たりで何円という価格設定が行われているケースが一般的ですね。

1グラフト当たりの費用はクリニックで大きな幅がありますので、「自毛植毛は○○○円」と一概に言い切ることはできません。

それに加えて、個人の薄毛の症状別で下記のように自毛植毛の移植で必要なグラフト数は変わります。

  • 生え際の薄毛への移植は500グラフト
  • 頭頂部の薄毛への移植は1,000グラフト
  • 広範囲に渡る薄毛への移植は1,500グラフト

AGAを発症してから長い期間が経過して薄毛の範囲が広がっている男性が自毛植毛を受けると、トータルで100万円を超えるケースもあります。

「流石に費用が高すぎる…」と考える男性はいますが、AGAによる薄毛の症状が進行した男性でも治療を受けて見た目のイメージを克服できるのが自毛植毛の魅力です。

保険適用外のAGA治療は医療費控除の対象になる?

保険適用外のAGA治療は医療費控除の対象になる?

AGAの治療が医療費控除の対象になるのかどうかは、税理士や医療専門家で見解が違います。

医療費控除とは、病気の治療で医療費を一定額以上支払った際に、確定申告で納めた税金の一部が戻ってくる制度です。

1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えると医療費控除の対象になり、支払いすぎていた税金が返ってきますよ!

「AGAの治療は保険が適用されないから医療費控除の対象にならないのでは?」と疑問を抱えている方もいますよね。

しかし、場合によってはAGAの治療に費やした費用でも医療費控除の対象になりますので、肯定派の意見と否定派の意見を見ていきましょう。

  • 肯定派の意見は、AGAは「若年性脱毛症」「壮年性脱毛症」と病名のついた病気の治療だから医療費控除が適用されると見解している
  • 否定派の意見は、AGAは美容整形手術と同じ処置だから保険が適用されないのと一緒で医療費控除も適用されないと見解している

日本の国税庁や税務署は、AGAの治療が医療費控除の適用になるのかどうか明確な答えは出していません。

つまり、当人の判断や税理士の意見によって医療費控除が適用されるのか決めているのが現状です。

AGAの治療は期間が長引くほど費用の負担が大きくなりますが、確定申告の際に一定の税金が戻ってくれば金銭的な負担を少しでも抑えられます。

自分が受けているAGA治療が医療費控除の対象になるのか知りたい方は、税理士などの専門家に相談してみてください。

AGAの治療費が医療費控除の対象になりやすい4つの条件!

  1. 薬局やドラッグストアで購入した育毛剤やサプリメントではない
  2. 病院を受診して専門医の診察を受けた上でAGAの治療に取り組んでいる
  3. AGAの治療を受けた証明になる診断書や処方箋、領収書を揃えている
  4. 治療目的で病院を通院していると税務署から認められている

次の4つの条件をクリアしていると、病院で受けたAGAの治療が医療費控除の対象になることがありますよ!

AGAの治療は美容目的の医療行為と認知されていますので、健康保険が適用されない自由診療に当てはまります。

しかし、保険の適用されないAGA治療でも、薄毛の改善や克服が医療目的だと判断されると医療費控除の対象になるのです。

そもそも、どのような処置や治療が医療費控除の適用の対象になるのかいくつかの条件を見ていきましょう。

  • 医師や歯科医師による診療または治療の対価
  • 病院での診療費や入院費
  • 治療や療養に必要な医薬品の購入費用
  • 治療に必要な松葉杖など医療器具の購入費用
  • 病院への通院に必要な交通費
  • 治療のためのリハビリやマッサージの費用
  • 介護保険の対象となる介護費用

参考:国税庁「医療費を支払ったとき – 医療費控除の対象となる医療費

薄毛の改善のために購入した育毛剤の費用は医療費控除の対象になりませんが、医療機関で医療目的だと判断された治療費は適用の対象になります。

ただし、医療費控除として認められるかどうかは税務署の判断で変わりますので、条件を満たしていても必ず適用されるわけではないと頭に入れておきましょう。

保険が適用されないAGA治療はクリニック選びが大事!

  1. AGA(男性型脱毛症)の治療や処置を専門的に取り扱っている
  2. 今までにAGAの確かな治療実績を残している(運営年数や施術経験など)
  3. 様々なアプローチによるAGA治療を受けられる
  4. 「診察」「検査」「お薬の処方」など料金プランやかかる費用が明確
  5. ストレスなく長期間に渡って通院できる(自宅からの距離や医師の対応など)

AGAの治療が医療費控除の対象だと認められても、保険の適用されない自由診療という点では一緒です。

治療法や治療期間によっては高額な費用を支払う形になりますので、AGA治療はクリニック選びが最も大事だと言っても過言ではありません。

費用の安さだけで比較してAGA治療を受けるクリニックを選ぶと、「薄毛を改善できなかった…」「お金と時間が無駄になった…」と失敗しやすいため、上記のポイントを踏まえて決めましょう。

ほとんどのAGAクリニックでは初回の無料カウンセリングが実施されていますので、AGAの治療内容や担当医師の説明などトータルで比較して信頼できる病院を選んで薄毛の克服を目指してみてください。

まとめ

  • AGAは医療保険の適用される項目に含まれていない
  • 高額な費用がかかるのは保険の適用されない自由診療なのが理由
  • 「投薬治療」「注入治療」「自毛植毛」でAGA治療の費用は変わる
  • 保険適用でないAGA治療でも医療費控除の対象になる場合がある

AGAの治療費用が他の病気と比べて高いのは、保険の適用されない自由診療なのが一番の理由ですね。

保険適用や医療費控除の対象になる場合はあるものの、ケースとしては多くありません。

AGAは病気の治療目的ではなく美化目的だと判断されますが、費用が高い代わりにAGA専門の病院やクリニックでは質の高い治療を受けて薄毛の克服を目指すことができます!

何もしないと年齢を重ねるにつれて薄毛の症状は進行していきますから、まずは今の悩み・症状をカウンセラーや医師に相談するところから始めてみましょう!